寒い冬に欠かせないダウンジャケット。
その中でも、軽量でコンパクトに収納できるライトダウンは、幅広いシーンで活躍してくれる便利なアイテムです。
普段は冬場のちょっとお出かけではアトムARフーディーにお世話になっています。
ですが、フーディータイプのため、時にはフードがジャマに感じる時があります。
ジャケットタイプの物が欲しくなり、真冬でもしっかり暖かくて軽いライトダウンを探している時に見つけたのが、今回紹介させて頂くのはアークテリクスのセリウムジャケット(旧セリウムLTジャケット)。
ライトダウンのセリウムにはフード付きのフーディータイプもありますが、先ほど述べた理由より取り上げるのはジャケットタイプの方です。
・フードが無い分、着回しが楽
・軽いのにしっかり暖かい
・立体裁断で動きやすい作り込み
今回は、そんなセリウムジャケットを実際に使ってみて感じたことを踏まえてレビューします。
セリウムジャケットが気になっている方は、是非チェックしてみてください。
セリウムジャケット概要
【スペック】
メーカー(ブランド) | アークテリクス(ARC’TERYX) |
商品名 | セリウムジャケット(旧セリウムLTジャケット) |
サイズ | XS〜XL |
重さ | 300g |
フィット | トリムフィット |
表生地 | Arato™ 15 – ドープ染めリサイクルナイロン100% |
裏生地 | Arato™ 20 – ナイロン100% – バイオ由来素材60%、FC0 DWR加工 |
ダウン | 850 フィル ヨーロピアン ホワイトグース ダウン |
中綿 | コアロフト80・コアロフト100 |
【商品説明】
幅広いアルパイン ミッションやバックカントリー アドベンチャーで実績のあるセリウムは、コンパクトに収納でき、軽量でありながら、 抜群の暖かさを提供。
最適なフィット感と性能を目指してアップデートしたデザインは、より多くの環境に優しい素材を活用しながら、 従来と変わらない抜群の軽暖性能を実現しました。
850フィルの第三者認証基準を満たして調達されたダウンに加えて、コアロフト™の合成素材を湿気がこもりやすい部分に配置。
高品質な断熱性能を実現しています。
リサイクル素材の15デニール Arato™ ナイロンを使用した表面素材は、軽量で耐久性のあるバイオ由来のライナーで石油の使用量を削減。
すっきりとしたデザインながら立体構造を採用することで、動きやすく仕上げています。※セリウム ジャケットは、セリウム LT ジャケットから名称が変わりました。
【外観】
全体
全体的にはシンプルで、どこのブランドでも採用しているシングルキルトデザインのライトダウンです。
生地表面
テカテカ過ぎず、マット過ぎずの絶妙な光沢感。
表地はリップストップナイロンで、引き裂きには強そうな感じです。
ロゴ
ロゴは刺繍でしっかりと縫い付けられています。
「ARC’TERYX」の文字はなく、始祖鳥のシルエットのみのシンプル仕様。
フロントジッパー
フロントジッパーは小型なものが採用されています。
止水ジッパーといった特殊なものではなく、ごく一般的な普通のジッパーです。
一番上の方には、顎と接触して痛くならないようにチンガードが付いています。
ジッパー裏
ジッパーの裏、丁度チンガードの裏側にあたる部分です。
顎が当たる範囲でフリース時のような当て布が当てられています。
顎が当たっても肌触りが良く、裏地が顎髭でボロボロにならないように配慮されて設定になっています。
袖
袖口はベルクロではなく、ゴム仕様で絞られています。
調整不要なので楽ちんです。
ハンドポケット
ハンドポケットはジッパー付きで、貴重品を入れておくにも重宝する仕様です。
ポケットないは表地や裏地と同様のナイロン生地になっています。
ライトダウン系は物によっては内側にフリース生地が使われているものがあり、手を入れた時に暖かい仕様のものがあるのですが、セリウムではそれがありません。
ここにはフリース生地仕様にしてほしかった、と言うのが正直なところです。
内側&裾
裾にはドローコードがなく、ゴム仕様になっていてウエストにフィットしてくれるようになっています。
内側のダウンのモコモコ感からみてもロフト量の高さが分かりやすいですね。
【収納性】
収納袋に収納
セリウムジャケットには収納袋が付いています。
ジャケット自体を丸めて圧縮することで、袋に収納することができます。
この収納袋ですが、ジャケットの左ポケット内にループが設置されているので、このループに通して収納袋の紛失防止ができるようになっています。
ループは小さいので、通すのは少し大変です。
収納袋に押し込んでみた感じです。
袋の端に小さなアークテリクスのロゴ付きのタグがあります。
マンティス2とのサイズ比較
収納袋のサイズ感ですが、マンティス2と比較してみました。
マンティス2の横幅とほぼ同じ位のサイズ感です。
流石にマンティス2に収納袋に納めてた状態で入れることはできませんでした。
セリウムジャケットのイマイチだった点
ドローコードが欲しかった
セリウムジャケットは裾がゴム仕様で自然にウエストにフィットしてくれる仕様にはなっています。
ですが、体格によってはしっかりフィットしきらずに隙間が空いてしまうこともあります。
筆者の私は身長169cm、体重51kgの痩せ型で、セリウムジャケットはXSを着用しています。
着用した際に裾が自然にフィットしてくれるのですが、若干隙間が空いてる感があります。
これは体格的な問題ですが、ドローコードが付いてほしいと思った次第です。
少し空いてしまう部分をドローコードで絞って埋めたくなったのが正直なところです。
収納袋に入れるのが大変
850フィルのダウンが採用されているセリウムジャケットです。
ダウンのロフト量が高くて暖かさ抜群なのですが、このロフト量が仇となってしまうのが収納袋に仕舞う時です。
ロフト量が高いがために、ジャケットを丸めて押し込む際に中々コンパクトになりにくくて、収納袋に収めるのが大変です。
もう少し大きめの収納袋にしてほしかった、と言うのが正直なところです。
暖かさに直結するロフト量の高さが、こんなところで仇になるとは思ってもいなかった…
セリウムジャケットの良かった点
アトムARより軽くて暖かい
アウターとして使えるライトダウンのセリウムジャケットと同じ様な感覚で使えるのが化繊中綿のアトムARです。
使用するシチュエーションも似た様な感じになるので、着用して比較してみましたが、セリウムジャケットの方が暖かい印象がありました。
やはりダウンによる保温力の高さと、ジャケット自体の軽さが影響しているのかもしれません。
断熱性・保温性が高くて、動きが少ない時にはセリウムの方が優位な印象でした。
ライトダウンとは言うものの、暖かさはライトの枠を超えています。
アトムARと比較して暖かいと言うよりも暑く感じることもあるくらいです。
アトムは行動着としての保温を目的にしているので、保温と通気のバランスが取れています。
保温力重視ならダウンのセリウムが上ですね。
スペリオダウンラウンドネックジャケットよりも単体でしっかり暖かい
ライトダウンというジャンルのアイテムではモンベルのスペリオダウンラウンドネックジャケットも持っていますが、冬場に単体のアウターとして使うには薄すぎるのであまりにも心許ないです。
セリウムジャケットはダウンのロフト量もしっかりボリューミーで、アウター単体使いとしてもバッチリ。
スペリオダウンラウンドネックジャケットは春先や秋口に、真冬はセリウムジャケットの使い分けで活躍してくれます。
同じライトダウンでも、季節ごとで使い分けできれば快適度UP。
立体裁断構造で動きやすい
アークテリクスのジャケット類に共通している点として、体の動きに追従してくれる立体裁断構造になっている事が挙げられます。
このセリウムジャケットでも採用されていて、腕の動きに追従してくれます。
立体裁断構造であることで、腕を振り上げたりすることをしても、
・袖口が手首からズリ落ちない
・腕を上げても裾が一緒に上がることがない
これらの点があることで、快適性が大幅に向上してくれます。
体の露出が減り、ちょっとした部分での寒い思いをすることがなくなるので暖かさをキープできます。
ちょっと動いて手首や腰回りが露出しちゃうと、途端に寒く感じちゃいます。
これらの点が抑えられるだけでも、暖かさがキープできるので助かります。
フードが無い分、着回しがイイ
フードが無いタイプのセリウムジャケット。
フードがある服の方がお得感?がある様に感じる時もありますが、やはり邪魔になる時もあります。
特に感じるのが車移動がメインでの街着で着用する場合。
長時間寒い外にいる場面が少ないこともあり、フードの出番がほとんど無かったりします。
邪魔なものがない分、着回しも楽ちんで快適です。
長時間外で過ごすことがない時は、フードが無いアウターが使いやすいですね。
セリウムジャケットはこんな人にオススメ
少しでも軽くて暖かいアウターが欲しい人
ダウンジャケットのメリットは、何といっても軽さと暖かさ。
冬場のアウターは重量の重いものが多い中で、軽くて暖かいアウターとしてダウンジャケットを選ぶのは必然の事。
セリウムジャケットは重量も軽くて850フィルの高品質ダウンのお陰でしっかり暖かいので、軽くて暖かいアウターを探してる方にはもってこいです。
場合によっては暖かいというより暑く感じるくらいの保温力抜群のセリウムジャケットは、寒がりで軽いアウターを探している方にはオススメのアイテムです。
【ダウンに関する関連記事はこちら】
>>関連記事:【解決】冬に活躍する「ダウン」と「中綿」の違いと選び方を簡単解説
コメント