シマノが22ステラから採用し始めた超密巻き機構のインフィニティループ。
新しい機構として話題にもなりましたが、実際に使ってみた一部のユーザーからライントラブルが起きやすくなったといった声も上がってきてるようです。
私自身も22ステラを使っている身ですが、インフィニティループのせいでライントラブルが増えたといったことは特別感じていません。
結論から言うと、インフィニティループを不用意に怖がらなくても大丈夫です。
スピニングタックルでライントラブルが発生する条件や原因は、ある程度決まっており、それらに注意することで防ぐことができるからです。
この記事では、インフィニティループでライントラブルを予防する方法を解説します。
インフィニティループ搭載のスピニングリールでトラブルが発生しやすくなったと感じる方や、それらのリールを使用することに戸惑っている方は、是非チェックしてみてください。
シマノの超密巻きインフィニティループは飛距離アップに貢献するための機構
インフィニティループとは、一体どんな機構なのでしょうか?
これはスプールにラインが1本1本整然と緻密に巻き付けられていくことで、キャスト時にラインが放出される抵抗が減り、飛距離アップに貢献する機構です。
スプールを上下運動させるオシュレーターの動きを超スローにすることで実現し、密巻きを超えた超密巻きの状態になります。
22ステラからインフィニティループとして採用されていますが、この超密巻き機構は2000年に登場したミレニアムステラで既に採用されている実績があります。
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シマノの超密巻きインフィニティループでトラブルが起きる原因
現行の22ステラ等での発生例と原因
私自身22ステラを所有して使っていますが、ライントラブルが発生したことは少なからずあります。
ですが、インフィニティループのせいで発生したという訳ではなく、発生した状況から次のことが原因と考えられました。
✔︎ラインテンションが掛かりにくい釣りを展開している時
✔︎ラインがフカフカな状態で巻き取られた後でのキャスト時
✔︎糸巻き量が多い時
ライントラブルが発生してしまうポイントとなっているのが、ラインテンションが掛からずに巻き取ってしまうことと考えられます。
振り返ってみると理由は簡単で、これらのポイントに注意することでトラブルの発生率は抑えられます。
22ステラでの参考記事はコチラ:【22ステラ実機レビュー】使い込んで分かった使用感や不具合などの正直な感想
過去にミレニアムステラで発生していた事例
初代の超密巻き「スーパースローオシュレート」を搭載したミレニアムステラを使っているアングラーの一部から、ライントラブルが増えたといった声が聞こえてくるようになりました。
ミレニアムステラが登場した頃は、ブラックバスでのスピニングタックルでのフィネスフィッシングで細いフロロカーボンラインを使った釣り方が主体。
巻きグセが付きやすいフロロカーボンを使用しているので、糸ふけの処理をしっかり行わないで巻き取り始めると、ラインがフワフワした状態で密に巻き取られるので次のキャストでバックラッシュ等のトラブルが発生しやすくなっていた訳です。
このこともあり、ミレニアムステラ以降のリールからは超密巻き構造が一旦採用されることはなくなりました。
シマノのトラブル対策構造アンチツイストフィン
シマノも過去のトラブルはそのままにはしておきません。
メリットを見込んでインフィニティループとして超密巻き構造を復活させた訳ですが、デメリットの対策もしっかり行っています。
それがインフィニティループの搭載と同時に装備されたアンチツイストフィンです。
この機構のおかげで、ラインローラーにラインが巻き取られる時のラインのたるみを抑えて、きれいにスプールに巻き取りやすくなるようになりました。
ミレニアムステラの時代にはなかった機構で、超密巻きの弱点をカバーしてくれるように働いてくれます。
シマノの超密巻きインフィニティーループでトラブルを予防する方法
インフィニティループ搭載のリールは、リール側でもライントラブル対策はしっかりされています。
それでもトラブルが発生したり心配な場合は、次の4つの方法ができているか確認してみてください。
キャスト後にサミング・フェザーリングで糸フケ処理する
スピニングタックルでキャスト後、ルアーの着水に合わせてスプールから放出されるラインを止める・出ていく勢いを調整する操作をサミングやフェザーリングといいます。
ルアーが着水しても何もしなければ、スプールからラインが出続けるので、ラインが必要以上にたくさん出て行ってしまいます。
そのまま巻き取れば、スプールにラインテンションがかからずにフカフカな状態で巻き取られるので、次のキャストでトラブル原因となってしまいます。
ラインテンションをかけた状態で巻き取り始める
上記のようにサミング・フェザーリングをすることでラインテンションがかかった状態でキャストが終了しているはずです。
そのままベールを返せばラインテンションをキープしたまま巻き取り始めるので、本来なら次のキャストでのトラブルが起きないです。
ここで、ベールを返す前にラインを話してしまって糸フケを発生させてしまうと、ラインがフカフカな状態で巻き取られてしまうので、次のキャストのトラブルに繋がっています。
スプールにラインを多く巻き過ぎない
スプールにラインを巻く量も大事なポイントで、ラインを巻き過ぎない事です。
密巻き構造のスピニングに限らす、スプールいっぱいいっぱいに巻き過ぎると、キャスト時にラインが一度にたくさん出やすいのでバックラッシュが起きやすいです。
スピニングタックルでライントラブル予防としてよく言われている事ですが、スプールエッジに対して1mmくらい少なめ(一円玉の厚みが目安)に巻くのがオススメです。
巻き取りの設定を逆ハの字になるように設定する
スピニングにラインを巻き取る際に、ラインの巻き方でキャスティングの設定を変更することができます。
付属に糸巻き量調整用のワッシャーが付属しているので、これで調整してトラブルを予防することができます。
スプールにラインを巻き取る設定は次の通りです。
- ハの字 → 飛距離重視
- 逆ハの字 → トラブル防止重視
- 並行巻き → 飛距離とトラブル予防のバランス型
トラブル予防の観点としては、並行巻き、もしくは逆ハの字で巻き取る設定が推奨。
超密巻きになったことで飛距離に貢献しやすい仕様になっているので、飛距離の面は心配ないと言えます。
その点でも、設定は逆ハの字がオススメです。
トラブルを起こさない自信のある方は、並行巻き、ハの字巻きでの設定でもチャレンジしてみてください。
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まとめ:シマノの超密巻き機構でライントラブルを予防する4つの方法
シマノの超密巻き機構インフィニティループでライントラブルを予防する方法を紹介しました。
- キャスト後にサミング・フェザーリングで糸フケ処理する
- ラインテンションをかけた状態で巻き取り始める
- スプールにラインを多く巻き過ぎない
- 巻き取りの設定を逆ハの字になるように設定する
この方法を振り返って気づいた方もいるかと思いますが、スピニングでのキャスティングにおける基本作法そのままなんです。
結論としては、インフィニティループを不用意に怖がらなくても大丈夫です。
キャスティングの基本がしっかりできていれば、インフィニティループ(超密巻き)が構造的に不利だとしてもライントラブルは発生しにくいのです。
とは言えですが、意図せぬことでトラブルが発生することは極稀に起きてしまいます。
- 何かに気を取られてサミング(フェザーリング)が遅れてしまった・し忘れてしまった
- 不意に突風に煽られてライン処理が追いつかなかった
といったイレギュラー要素で不意にライントラブルが発生することは考えられます。
ただ、それはインフィニティループだから発生するというわけでもなく、スピニングタックル全般に言えることです。
その点はメーカーも十分対策を考えてくれていて、インフィニティループが採用されたスピニングリールにはライントラブルを軽減させるアンチツイストフィンという機構が装備されています。
初代の超密巻き機構が搭載されたミレニアムステラの頃と比べてもトラブル発生率は軽減されています。
不用意にインフィニティループ構造を怖がらなくても大丈夫なので、気にせず最新リールを使って楽しんでください。
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